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教員推薦図書コーナー
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■2015年 1・2月 |
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「日本」考察に貴重な情報
一昨年は、日本最古の書物「古事記」が撰録されて1300年の節目の年であった。古事記は、古代日本の礎を築かれた第40代天武天皇の命によって編纂された。天武天皇は、天皇家や諸豪族たちの家に伝わる伝承を自ら精査し、新しい君臣の関係をこの書物で確立して後世に伝えようとされた。 古事記が成文化されたのは、天武天皇の遺志を継いだ第43代元明天皇の712(和銅5)年。 天地開闢から説き起こす。混沌たる世界に秩序ある世界が次々と現出し、八百万(やおよろず)といわれる多くの神々が誕生する。山・海・川・野といった、人間が生活する場を支配する神や、木・火・土・金・水といった、人間生活に必要な要素である神々。そして稲作農耕民族にとって最も大切な太陽神・天照大御神(あまてらすおおみかみ)と農業暦の神・月読命(つくよみのみこと)、農業守護神・須佐之男命(すさのおのみこと)の誕生で、神々のパンテオンは完成する。 この須佐之男命の子孫として誕生したのが、開拓神・大国主神(おおくにぬしのかみ)であった。大国主神は須佐之男命の命によって地上の世界を開拓し、偉大な国王として君臨した。中部山岳地帯から西日本のほぼ全域にいたるその広大な領土を、大国主神はいともあっさりと天照大御神に献上し、自らは出雲の地に引退した。出雲大社の大神殿に鎮まり、今も人々の厚い崇敬をうけている。 国土献上を受けて天照大御神の孫、迩迩芸命(ににぎのみこと) 日本という国はいつ頃できたのか。日本に水田稲作が伝えられて3000年。神倭伊波礼毘古命という神武天皇が初代天皇として奈良盆地の橿原の地に即位されて、今年は2675年(皇紀)である。 それ以前、日本列島には1万2000年ともいわれる縄文という優れた文化があった。 古事記は、こうしたはろけき「日本」という国を考えるのに、貴重な情報を 伝える書物である。 |
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