行吉学園70周年記念神戸女子大学図書館企画
古典に触れよう―絵巻物に見る女性のすがた―」
第三回を開催しました



第三回 「伴大納言絵巻の魅力にせまる」(平成22年10月15日3限13:00〜14:30)

絵巻物にふれる図書館企画も最終回を迎え、30名近くの参加者があり、急遽部屋を変えてのスタートとなりました。今回は史学科の梶木良夫先生をお迎えして絵巻物の最高傑作といわれる国宝「伴大納言絵巻」の魅力にせまります。


 「伴大納言絵巻」は、866年の平安京応天門炎上事件とその顛末を12世紀に描いた3巻からなる絵巻物です。その歴史的概略の説明を解り易く解説していただきました。



  美術館や博物館では、全長展示された絵巻物を人が移動して鑑賞することになりますが、絵巻物本来の鑑賞の仕方である『繰り展げ』を体験しました。連続的に画面を進展させると絵は左から現れ、右へ流れていきます。



頁で分断された縦型の画集で感じ取ることができなかった絵巻本来の魅力に気付きました。



 場面(場所)の転換や時間経過を示す「すやり霞」技法についても教えてもらいました。


火事場に駆けつける群衆の生き生きとした表情、応天門が炎上する迫力ある画面、泣き叫ぶ女房たちなどや躍動感に満ち溢れた描写を説明を聞きながら堪能しました。子どものけんかのシーンはまるでマンガのコマ割りのようです。



「伴大納言絵巻(絵詞)」に関する資料を引き続き、2階メインカウンター前に10月末まで展示しています。